とってぃののんびりクラシック日和

趣味のクラシック音楽関連を中心に、のんびりと綴っていきます

10/3「チェネレントラ」@新国立劇場

こんばんは、とってぃです!

 

今日は、新国立劇場の2021/2022シーズン開幕公演となる、ロッシーニ作曲「チェネレントラ」を鑑賞しに行ってきました!

このオペラのストーリーの題材は誰もが知っているシンデレラですが、継母の代わりに継父が出てきたり、魔法やかぼちゃの馬車は出てこなかったりしたりと、おとぎ話とは異なる点もいくつかあります。

 

そんなチェネレントラの感想ですが…

何といっても、歌手の皆さんが素晴らしかったです!

主人公アンジェリーナの脇園彩さんと、王子ドン・ラミーロ役のルネ・バルベラさんは、昨年の「セビリアの理髪師」でも共演していて、その時も素晴らしかった記憶があるのですが、今回も期待を裏切らない出来栄えを披露してくれました。

脇園さんはその持ち前のよく通る声に加え、この演目ならではの細かいアジリタを次々と完璧に決めて、圧倒的な歌唱を聴かせていました。

バルベラさんも、その開放的で太い歌声を遺憾なく発揮し、2幕のアリアではあまりの素晴らしさに拍手が鳴りやまず、何とアンコールを歌ってくれるというサプライズがありました。(新国では初めて経験しました…)

その他、継父ドン・マニフィコにはイタリアの名ブッフォであるアレッサンドロ・コルベッリが出てきてベテランならではの熟練の技を披露してくれるなど、全体的に歌手のレベルは高いものを感じました。

 

オケを指揮するのは、当初予定されていたマウリツィオ・ベニーニさんに代わる城谷正博さんで、オーソドックスなタクトさばきながらも、オケとキャスト陣をしっかりとまとめ上げ、完成度の高い音楽に仕上げてくれました。

また、新国立劇場合唱団による合唱は毎度のことながら迫力と正確さを伴った完成度の高いものでした。

 

粟國淳さんが担当した演出については、黙役や合唱による細かい演技、カラフルな照明や多彩な映像などを活用して、視覚的には楽しいものとなり、休憩を入れて3時間を超えるオペラが退屈にならず、むしろあっという間に感じられました。

ただ、物語の舞台を映画の撮影スタジオに置き換え、チェネレントラを劇中劇として扱うという演出の内容については、わざわざ置き換えを行う必然性が伝わって来ず、また歌詞と演出の中身の齟齬がかなりあったせいか、置き換え後の世界で何が行われているのかが分かりづらいと感じました…。

 

会場は緊急事態宣言明けということもあってか、ほぼ満員の入りで、活気に満ち溢れていました!

今シーズンも新国のラインアップ、特に新制作の上演には期待していきたいと思います。